カイアシ類 (Copepod) 学 (-ologia)

海洋生態系では最も重要な位置づけにある甲殻類のプランクトンことカイアシ類。
そのカイアシ類を取り上げたウェブ雑誌です。

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最新記事

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2022.7.28No. 47  NOTE

コイチ魚類のLernanthropidae(ヒトガタムシ科)カイアシ類 属までの検索

コイチ魚類(Nibea albiflora)からとれたというカイアシ類、雌雄の標本を頂きました(Fig. 1, 2)。四肢のようなもの、頭部、胴体があり、人のように見えることから和名ヒトガタムシ(以下、Lernanthropidae)と呼ばれます(詳しくは、長澤・上野 2011)。海産硬骨魚類の

話題の記事

2021.7.10No. 23  

一部のカイアシ類はDHA合成能を有する その他のDHA獲得の方法

一部のカイアシ類はDHA合成能を有する その他のDHA獲得の方法

ωx不飽和化酵素遺伝子を有するカイアシ類Tigriopus californicusにおいて、実際に合成経路の初期の脂肪酸、オレイン酸からDHAを合成することも確かめられた(Kabeya 2021)。これは、動物はDHAをオレイン酸から合成できないという定説を覆す、驚くべきものだ。

2019.8.17No. 13  

側線鱗に寄生するColobomatus属カイアシ類

側線鱗に寄生するColobomatus属カイアシ類

魚類、シロギスSillago japonicaからは、側線鱗に寄生するColobomatus westi Hayward, 1996を見つける事ができる。筆者は、側線鱗を止血鉗子で取り、シャーレに移して目視で確認した(Fig. 1;Fig. 2)。ただし、目視では慣れが必要で、ルーペ等を使用することをす

2019.6.15No. 11  NOTE

共生藻を利用して光合成をするカイアシ類

共生藻を利用して光合成をするカイアシ類

カイアシ類のひとつ、Xarifia属は、ハナヤサイサンゴというサンゴに寄生するグループとして知られている。ハナヤサイサンゴ1つに対してXarifiaが5個体、生息する密度である。サンゴは炭酸カルシウムを骨格にする構造物で、その骨格を土台に無数の個虫(ポリプ)

2019.6.7No. 10  NOTE

カイアシ類の歯

カイアシ類の歯

肉食性の動物には鋭い牙があり、草食性には大きな臼歯があることは有名なことだろう。肉を噛みちぎるために犬歯が発達し、草をすりつぶすために臼歯が発達するからだ。実は、カイアシ類でも、そういった形態の特殊化が見られる。例として、7種の咀嚼歯をFig. 2に

2018.4.21No. 3  

カイアシ類の一種、ヒジキムシ (Pennella sp.)

カイアシ類の一種、ヒジキムシ (Pennella sp.)

WoRMSを見るとヒジキムシは44種が報告されているが、そのほとんどが再調査を必要とされ、種として妥当とするのは6種のみと言われる(Hogans 2017)。なぜ、誤った記載が多いかというと、ヒジキムシは宿主の状態によって形態を変えるからなのだ(Hogans 1987)。なんとも

2018.3.18No. 1  NOTE

サンマヒジキムシ (Pennella sp.) にカイアシ類の要素はあるのか

サンマヒジキムシ (Pennella sp.) にカイアシ類の要素はあるのか

サンマヒジキムシとはカイアシ類のうちシフォノストム目ヒジキムシ科(Pennellidae)に属する。寄生性である。名前の通り、サンマに寄生する種で、サンマの腹部に体サイズの半分が埋もれた状態で寄生する。体は黒っぽい濃い紫色で、ヒジキのように見えることから、そう名付け

過去の記事

ハタハタのChondracanthidae(ツブムシ科)カイアシ類Acanthochondria priacanthi  (No. 46 2022.6.30)

アマモ場からスイツキミジンコの一種 葉上性カイアシ類  (No. 45 2022.6.23)

キアンコウの口腔に寄生するChondracanthidae(ツブムシ科)カイアシ類の一種  (No. 44 2022.4.30)

ムラサキイガイから寄生性カイアシ類Pseudomyicola spinosus Myicolidae(科)の一種  (No. 43 2022.3.25)

アミモンガラのCaligus polycanthi ウオジラミ科(Caligidae)の一種  (No. 42 2022.3.20)

ハナガタムシAnthosoma crassum ネズミザメ口腔歯間に寄生するカイアシ類  (No. 41 2022.3.5)

寄生性カイアシ類Taeniacanthidae(科)の一種 本科の属までの検索  (No. 40 2022.3.1)

アカエイに寄生のTrebiidae(サメジラミ科)の一種、Trebius akajeii 寄生性カイアシ類  (No. 39 2022.2.10)

ウオジラミの体制 Caligus属、寄生性カイアシ類  (No. 38 2022.2.4)

Lepeophtheirus属カイアシ類(ウオジラミ科)の種までの検索  (No. 37 2022.1.20)

カレイ魚類のウオジラミLepeophtheirus hospitalis 寄生性カイアシ類Caligidae(科)の一種  (No. 36 2021.12.30)

サンマの鰓腔からBomolochus bellones エラジラミ科(Bomolochidae)カイアシ類  (No. 35 2021.12.9)

記載された44種のヒジキムシ、実際は数種のみか 寄生性カイアシ類Pennella属の新たな分類  (No. 34 2021.11.23)

Caligus undulatus ウオジラミ科カイアシ類 プランクトンとして採れた個体  (No. 33 2021.10.29)

Caligus orientalis ウオジラミ科カイアシ類 プランクトンとして採れた個体  (No. 32 2021.10.17)

Caligus latigenitalis ウオジラミ科カイアシ類 プランクトンとして採れた個体  (No. 31 2021.10.16)

東京湾に浮遊するウオジラミ、寄生性カイアシ類 魚から脱離した個体  (No. 30 2021.10.7)

サンマウオジラミCaligus macarovi サンマに寄生するカイアシ類  (No. 29 2021.9.29)

日本に出現するウオジラミ科(Caligidae)カイアシ類の種リスト 属およびCaligus species-groupまでの検索  (No. 28 2021.9.17)

汽水性カイアシ類Pseudodiaptomus属の雄二型性 雄成体の第5胸脚の形態  (No. 27 2021.8.5)

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