餌としてのカイアシ類 魚類の餌生物サイズの選択性
カイアシ類は主に海洋で浮遊生活をする、1 mm~3 mm程度の微小な甲殻類です。節足動物門、甲殻亜門、
注目すべきことは、その数と量です。個体数は、動物プランクトン全ての個体数のうち70~90%を占め(Carlotti etal. 2018)、世界中の海域で
どのくらいの大きさまでに成長したら、摂餌する餌生物の大きさが、カイアシ類よりも大きくなるのでしょうか。スズキの場合は、全長130~200 mmを超えると小型のエビなどを摂餌するようになります(畑中・関野 1962;日比野ら 1999)。サンマは200 mmを超えると、カイアシ類と合わせて、オキアミ類や
魚類の消化管内容物の餌生物の
サンマの仔稚魚は、黒潮海流の以南に分布します。この海域には小型1 mm未満のカイアシ類が多く、仔稚魚の餌生物として最適です。仔稚魚の間はここで過ごし、成長すると、黒潮海流の以北に移動します。親潮海流との混合域であるため、動物プランクトンは大型1~3 mmが多いです。サンマは成長することで、黒潮海流の以南から以北へ移動し、適した餌生物のサイズを選択しています。
カタクチイワシの場合は、仔稚魚のときに
魚類は、餌生物種を選択することはほとんどないですが、餌生物サイズを、海域を変えることで選択しているということが言えます。それによって、摂餌ができる最大の餌生物を摂餌することが可能になり、最適な成長を貢献できるということです。
文 献
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